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2007年1月 7日 (日)

Shut Off

長くつらかった一日。

今日は割と珍しい経験をしたので、一日の出来事をなるべく端折らずにそのまま記載することにする。

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起きたのは午前5時くらい。

電気がつけっ放しだ。
外が明らかに吹雪いている音が聞こえる。
このせいで、昨晩は何度か目を覚ましたのを覚えている。

昨晩は6時くらいには、風呂にも入らずに寝てしまったが、今日はいつもより遅い7時出勤だから、これからシャワーを浴びる余裕は十分にある。

しばらく布団の中でうとうととしている。

すると。。。

バチン。
という音と共に部屋の電気が消えて真っ暗になる。

続けて「スー」というオイルヒーター特有の音が聞こえなくなる。

停電だ。

しばらく布団の中でじっとしているが復帰する様子はない。

とりあえず、部屋の外に出てみると真っ暗なので、電気ランタンを持ってトイレに行く。
まさかこんなところで車中泊用グッズのランタンが役に立つとは。

           20070107_961_filtered_ss

このランタンは、上の写真で見るイメージよりもずっと明るい。

トイレに行くが水の流れが悪い。
水道も変な音を立てて、あまり水が出ない。
(このときは知らなかったが、結局この後、水は完全に出なくなる。)

部屋で一時間くらい過ごすが、電気は復帰せず。
風呂も諦めて出勤の準備をして部屋を出る。
この頃には外もかなり明るくなってきていたのでランタンは不要。

玄関に人が何人か溜まっていて、妙だな、とは思ったけど気にせず外に出ようとして足が止まる。

           20070107_917_s

吹雪いている。
まぁそれは北海道なんだからよくあることとして。。

           20070107_920_s

何だコレ?
車が半分以上埋まっている。
昨晩は、キレイに除雪されていて、駐車場には積もっている雪なんてほとんどなかったのに1メートル近くの雪が積もっている。

とりあえず意を決して外に出てみる。
すごい風。と雪。
予想以上に風が強く、時おりたくさんの雪が一気に吹雪いてきて視界も相当悪い。

とてもじゃないが車での出勤は不可能だ。
とりあえず寮の玄関まで非難。
送迎のバス停までたどり着くのも困難なのではないだろうか。
というか。バスだって走れる状況ではないのでは。。

そこへ同じレストランで働いている社員の人が二人きたので、合流してなんとか一緒にバス停まで歩いて行く。
これまで札幌に合計6年近く住んでいたことがあるが、こんなにひどい雪の状況の中を歩いたのは初めてだと思う。

バス停には100人近い人が溜まっていた。
雪よけのための車庫みたいなのがあるのだが、そこには入りきらずに人があふれていた。

しばらく待っていたけど、バスは来ない。予定時刻をかなり過ぎていたけど、遠くの道をたまに走っていくのは除雪車だけだ。

そのうち、何人かが「歩いていこう」と意味不明なことを言い出し、数人の集団でホテルに向かって歩き出していく。

こいつら正気か?寒さでおかしくなってしまったのだろうか。
死に急いでいるようにしか見えない。
勇気と無謀の意味を履き違えたその集団は、あっと言う間に、吹雪の中に姿を消していってしまった。。

この猛吹雪の中、バスもまず来れないだろうということで、いったん部屋に戻ることに。
私たちが働いてるガレリアスイートホテルは一番遠い山の上の方にあるので、歩いて行くという選択肢はまずありえない。
レストランの方の準備が心配だが、無理なものは無理だ。

数十分、部屋で過ごしていると、外の吹雪はかなり弱まってきている(と言っても吹雪には変わりないけど。。)ので、再度外に出て、車まで行ってみることに。使うことはないと思っていたんだけどコートを持ってきていたので、それを取りにいくためである。

実はこのときに撮った写真が上の2枚である。
だから、一回目に外に出たときは上の写真よりももっとずっと視界は悪かった。

ある程度雪が固まっている場所があり、少し足が埋まりながらもなんとか自分の車のところまでくる。

           20070107_938_ss

思ったより埋まってないぞ。

ってゆーか、こんな変な積もり方は今まで見たことがない。
車の上が露出しているのに車の前や横のガラスに雪が積もっている。
隣の車との間はほとんど雪がない。

風が強すぎて上には積もらずに、吹き溜まりのように、横から車に当たって積もっていっているのだろう。

腰近くまで埋まりながら車にたどり着き、なんとか雪をどけて車内に。
コートを探していると、さっきの社員さんから電話があり、雪がかなり弱まったからもう一度バス停に行ってみようとのこと。

コートを着てバス停まで行くと、ちょうどバスがやってきた。
時間は、すでに出勤時刻を1時間以上過ぎている。

バスは走り出したが、途中までしか行けないとのこと。
前述した通り、私が働いているホテルは、山を上まで上った一番遠い場所にあり、そこまではバスが上って行けない、だから、途中からは歩いて行ってくれ、というのだ。

ということで、途中で降ろされ、三人で雪道を1~2kmくらい歩いて上っていった。幸いなことに風はほとんどなくなっていたが。。

ホテルに着いたのは9時過ぎ。

朝食は7時からオープンしてるはずで、私たち3人は7時出勤だから、明らかに人が足りていないと思われるので、店の状態が心配でもあり、これからそこに行かなければならないことを思うとちょっと怖くもあった。

そもそも、ホテル自体も停電で機能していないかどうかも心配だったが、着いて見ると、客室にも最上階のレストランも電気が灯っていた。

着替えてすぐに店に上がると、店はオープンしていたが、明らかに様子が異なっていた。見たことがない従業員が数人右往左往している。
バイキングに出てるメニューもなんか微妙に違ってたり。

事情を聞くと、もうひとつのタワーの最上階にあるレストランを今日は閉鎖して、こちらだけオープンしてるとのこと。
そして、そのもうひとつのレストランで働いている人が助っ人で来てくれているらしい。

ということでなんとか回ってはいるものの、今まで二つのレストランに分散していたお客さんがすべてこちらに来たわけで、いつもの倍近くのお客さんが押し寄せていることになる。。
途中、何度か停電で店内やキッチンの電気が消えてしまったり、エレベーターが止まってしまったり。。
キッチンもホールも、慣れない従業員との連携がうまくとれず。。
で、てんやわんやな状態が続いた。

朝食の時間(~10:00)だけでは、すべてのお客さんを回しきれなかったが、そのままランチの時間(~14:00)まで朝食バイキングをやり続けるという異例の営業でなんとかしのいだ。。

不満を言うお客さんも当然いたけれど、そんなに大きなクレームはなかったようだ(そう見えただけかもしれないけど)。ランチでバイキングが食べれることに喜んでいるお客さんもいた。

朝から雪の山道を登ってきた上に、異例のバイキング延長により5時間近く走りっぱなしで疲労が限界近くなっていたが、バイキングの片付けを速攻で済ませて、その後はラウンジ営業。。

今日唯一の幸運は、片付けて余ったバイキング料理を、昼ごはんとして自由に食べさせてくれたことだ。

正直、疲れすぎて食欲もあまりなかったけど、貧乏人パワー全開であらゆる料理を皿に盛り付けた。
15:00くらいから、30分くらい休憩をもらってそれを食べた。

たまに、料理をつまみ食いすることはあるけど、そのときはどの料理も本当においしくて、こんなおいしい料理を好きなだけ食べれる客がうらやましかった。
でも、こうやって改めてちゃんとお皿に盛り付けて食べてみると意外とそんなにおいしくなかった。

不思議だ。つまみ食いだからこそおいしかったということか。。まぁよくある話だ。

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その後、裏の片付けやラウンジを少し見て、帰りは大体いつも通りの時間に帰ることができた。

私は今朝風呂に入り損ねたので、寮に戻って電気と水が復旧してることを切に願っていたのだが、願いもむなしく寮の建物はすべて闇の中に没していた。。信号機すら機能していなかった。

とぼとぼと寮の入り口に向かいつつ自分の車を見る。

           20070107_954_filtered_ss

朝よりひどくなっている。。あたりまえだけど。。

部屋に戻ると、一日ヒーターが切れていた割には、気温は意外と暖かかった。この建物自体の保温性がかなり高いようだ。

携帯を見ると圏外。
もともと電波状況はあまり良くなかったけど、この吹雪で(もしくは停電のせいで)完全に電波が死んでしまった。

非常用に買い置きしておいた水は大量にあるけど、部屋の電気はつかず、食べるものもカロリーメイトくらいしかない。

いつも夕食を食べている寮の近くの従業員食堂も、停電のため営業していない。

とりあえず。
風呂だ。風呂に入りたい。シャワーを浴びたい。

昨晩入らずに寝てしまい、今朝も停電で入れなかったし、今日はいつも以上に汗をかいたので、何が何でも絶対に入りたい。

が、寮の建物全ての電気系統が死んでいて、水も出ないくらいだから、当然風呂どころではない。

導き出される結論は、、、停電になっていない街まで下りて、銭湯か温泉を探すしかない。

そこで重装備をして、さっき埋まりに埋まって絶望的に思えたシビックまで行ってみる。
絶望的な状況はもちろん変わっていない。

周囲はかなりの人が自分の車を何とか脱出させようと、みんな必死で雪かきをしていた。
私の車の周りは大量に雪が積もっているが、駐車場自体には少し除雪車が入ったようでかなり雪はなくなっている。

シャベル・スコップ類がなくて、どうしたもんかと、ただ呆然と自分の車を見ていると、見知らぬ人が雪かきを手伝ってくれると言ってきた。
こんだけすべての車が埋まっている中、私などに救いの手を差し伸べてくれるなんて、どんだけ親切な人なのかと思ったら、私の車の後ろに車を停めている人だった。

その人の車の反対側は除雪されていなくて、そちらから出るのは完全に無理っぽいから、私の車が出ればそれに続いて出てこれるということらしい。

ということで、どっから持ってきたのか雪かき用スコップを大量に保持している彼に手伝ってもらい30分くらいの作業にて何とか脱出!

風呂道具を取りにいって早速最寄の街、新得町へ。

新得町へ向かう道は結構除雪されていて、意外と問題なく下りて行くことができた。
カーナビで温泉を探して、町営浴場を発見。

■新得町営浴場
 住所 北海道上川郡新得町本通南1-2
 電話 0156-64-4156
 営業時間 14:00~22:00
 料金 370円
 駐車場 10台
 お勧め ★☆☆☆☆

正直オススメはできない。

ありえないくらい無愛想な受付。
最近リフォームしたのか、やたらとペンキがきれいに塗られているが、それよりまずペンキの臭いが鼻につく。
浴室も浴槽も狭く、一応温泉らしいが、近くの有名なトムラウシ温泉からお湯を運んできて使っているらしい。そんなむちゃくちゃな。。

でも、二日ぶりの風呂で汗を流せたので十分満足。
風呂上りに休憩しながらアップした記事が1月5日分の「ちょっとそこまで」である。
寮の電波がまだ死んでる可能性があるから、ここで少しでも更新しとかなきゃと思って。

これで帰ったら電気が復旧していることを願ったけど、残念ながら相変わらず寮は明かりを失ったままだった。水も出ないし電波も圏外。

ちゃんと除雪されている場所に車を停めて、寮に戻った。

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あとで聞いたことだが、10年以上ここで働いている社員さんの話では、ここまで雪がひどくて、交通網が遮断されて、停電まで起こったことは、これまででも例がなかったらしい。。

後日に入手したこの次の日(8日)の朝刊の記事である↓。

      20070109_980_filtered_ss      20070109_981_filtered_ss

トマムに限らず全道的に荒れたようである。天気図↓。

            20070109_979_ss

いやいやいや低気圧発達し過ぎですから。。

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今日は夜更かしする気にもならずすぐに寝た。
明日には電気と水と電波が元に戻ることを祈って。。

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コメント

雪半端ないですね~。
こちらも結構ふぶきましたが
積雪は思ったほどではありませんでした。
車の埋まっている画はなかなかの迫力ですね。。

雪ニモ負ケズバイトがんばれ~

投稿: crown | 2007年1月10日 (水) 20:33

爆弾低気圧っていうらしいよ。
聞いたこと無いよね。テレビで当たり前
のように連呼されているけど・・・
爆弾低気圧って誰が名づけたんだろうね?

爆弾低気圧・・・
なかなかネーミングセンス良いね。

こちらは、吹雪いたけど、そんなに大したこと
なかったよ。爆発はしてなかった・・・

投稿: R | 2007年1月10日 (水) 20:57

>majesta

ありがとね~
昨日今日は休みでのんびり休んだから
また明日からがんばれそう!残りわずかだしねっ!


>R
爆弾低気圧って言うんだー。へー。はー。ほー。
爆弾低気圧ねー爆弾爆弾。。
爆弾処理高気圧とかもあればいいのにねー。

投稿: 加ト | 2007年1月10日 (水) 21:48

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